4 各相続人の取得額

説明書によると、

②(遺産の範囲)で確認し,③ (遺産の評価)で評価した遺産について,法定相続分に基づいて各相続人の取得額が決まります。ただし法律の条件を満たす特別受益や寄与分が認められる場合には,それらを考慮して各相続人の取得額を修正します。

とされます。

相続分とは

ここで、相続分という用語がでてきます。相続分とは、各相続人の取得分になります。

原則として,法律で定められている一定の割合(法定相続分)によって分割をすることになります。
なお,相続人全員が合意すれば,法定相続分とは異なる割合で分割することもできます。
さらに,「特別受益J、 「寄与分」が認められると,法定相続分を修正することがあります。

とされます。

 法的には、具体的相続分とは「遺産分割手続における分配の前提となるべき計算上の価額またはその額の遺産の総額に対する割合」(最判平12・2・4)をいいます。

この修正として特別受益と寄与分がでてきます。

特別受益とは

民法903条1項をみてみましょう。

1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

実務的には、「生計の資本として贈与」がよく問題になります。大学学費などが問題になりますが、かなりの不平等を生じる場合でないとなかなか認定はなされないような感じかもしれません。

家裁の説明書でいくと

相続人の中に,被相続人から遺贈や多額の生前贈与を受けた人がし、る場合,その受けた利益のことを「とくベつじゅえき 特別受益」といいます。その相続人は,いわば相続分の前渡しを受けたものとして,遺産分割において,その特別受益分だけ,その人の相務長を減らして,具体的な相続分を算定することがあります。

とされています。

寄与分とは

共同相続人の中に被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をしたものがいる場合に、特別の寄与を考慮し、そのものに対して特別にあたら得られる相続財産への持ち分をいいます。

条文としては、民法904条の2です。同条は、昭和55年の民法改正で導入されたものです。

共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

としています。

また,相続人の中に,被相続人の財産の維持又は増加に特別の貢献をした人がいる場合,その人の貢献の度合い(寄与分-きよぶん)に応じてその人の相続分を増やして,具体的な相続分を算定することがあります。
貢献の内容としては,被相続人の事業に関する労務の提供,財産上の給付, 被相続人の療養看護などがありますが,寄与分が認められるためには,親族間において通常期待される程度を超えた貢献が必要です。単に,他の相続人と比較して貢献の度合いが大きいとか,自分ばかりが負担が大きかったとしうだけでは寄与分にはなりません。

というのが、家庭裁判所の説明書に書かれています。